胃腸病

胃腸は、”感情の臓器”といわれるように、精神的な面と密接に結びついており、強いストレスによっておこる胃潰瘍や過敏性大腸症候群(下痢と便秘の繰り返し)などは、その代表的な病気です。当然のことながら、潰瘍などは専門医の治療をうける必要があります。

しかし、そこまで症状が悪化していない、つまり食欲がない、胃がむかつく、痛むといった程度の不調には、アロエの服用が効きます。




胃腸薬や健胃剤には苦みがあるものですが、アロエの苦みも胃液の分泌を促す働きをもっています。これは、アロイン、アロエエモジンなどの物質です。アロエを胃腸薬として利用する場合、砂糖などを加えて苦みをなくしてしまっては効果がありません。

さらにアロエの葉に含まれるビタミンCは、胃粘膜の新陳代謝を活発にして粘膜を強くします。

ビタミンCは水溶性ビタミンで熱に弱いため、アロエは手早く水洗いし、熱を通さず生食します。食間、または食後30分以内にかじるとよいでしょう。胃壁を刺激して、胃液の分泌を促し、消化を助けます。

しかし、空腹時に大量にとると、食べ物の入っていない胃に胃液が分泌されて、かえって胃壁を傷めてしまいます。

苦くて食べられないようなら、細かく刻んでオブラートに包んで用いるをよいでしょう。

※使用上のポイント

・手早く水洗いして生食する。
・服用は、空腹時を避けた食間もしくは食後30分以内。



アロエの雑学豆知識

アロエはユリ科に属する多年草で、アフリカの地中海沿岸が原産と言われています。アロエとはヘブライ語で”苦い”という意味で、その歴史は古く、紀元前から薬草として知られていました。

アロエが薬草として使われていたという最も古い記録は、古代エジプトのミイラのひざのあいだに置かれていたパピルスです。これによるとアロエは、センナなどとならんで下剤として用いられ、また眼病にも使われた薬効のある貴重な植物としるされています。

さらにアレキサンダー大王は、大遠征の際に負傷兵の治療にアロエを用いて効果をあげ、それをきっかけにアロエの栽培をはじめたとも言われています。

いずれにしてもアロエが古代より薬草として使われていたことはたしかで、やがて紀元前1世紀には、ローマのディオスコリディスが『ギリシャ本草』のなかで、アロエの薬効を書きしるしています。それによると性器の病気、痔、黄疸、胃の洗浄作用、打撲、おでき、さらに目の洗浄にもなる万能薬であるとしています。

その後、アロエの薬効はヨーロッパにも広く認められ、十二世紀にはドイツ薬局方にも収載されるようになりました。

さて、日本にいつアロエが伝えられたのかについては、鎌倉時代とか室町時代とかいわれ、定かではありませんが、江戸時代には貝原益軒が『大和本草』のなかで、「その味苦く臭くして、気味ともにはなはだしく苦きゆえに虫を殺す」しるしています。

当時、蘆薈(ろかい)と呼ばれたアロエは、その名から中国から伝えられたものだと言われています。中国では『開宝本草』にしるされているところから、八世紀ごろには、民間薬として普及していたと考えられます。

日本に伝えられたアロエは、九州や伊豆、四国などの山野に自生し、地方によっては、”医者いらず”として重宝がられていました。しかし、アロエが薬用植物として広く栽培されるようになったのは戦後でした。

現在では、各地、ことに暖地で観賞用として、また民間薬として栽培され、薬効が穏やかで副作用が少ないことから、多くの人々に愛用されています。

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