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ちまたの流行ダイエット、本当に効果的?

内臓脂肪とダイエット

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流行ダイエットや痩せるウワサを検証


 これまでに、リンゴダイエットや耳つぼダイエットなど、さまざまなダイエットがブームになっては消えていきました。そして今でも、「ラクして痩せられる」「カロリー計算不要」「飲むだけで痩せられる」などの宣伝コピーは同じまま、さまざまなダイエットがブームになっています。

 こうした口コミダイエットは、科学的・医学的根拠はともかく、根強い人気があります。しかし、流行ダイエットの中に、本当に脂肪を減らして、健康的に痩せられる方法はあるのでしょうか?氾濫する流行ダイエットやウワサを紹介します。





低インスリンダイエット


 低インスリンダイエットは、血糖値の上昇がゆるやかな食材を選んで食べれば、食事制限やカロリー計算の必要はなく、太りにくくなるといううたい文句で、数年前に流行しました。その根拠は、血糖値が急に上昇すると、膵臓からインスリンが多量に分泌され、脂肪合成が促進されてしまうので、血糖値の上昇がゆるやかな食材を選んで食べれば太らないというのです。

 このダイエットの流行に伴い、食後の血糖値の上昇度合いを数値化した「GI値」の低い食べ物を紹介した本が、飛ぶように売れました。GI値とは、約30年も前に提唱された概念で、糖尿病の食事療法に取り入れられてきたものです。しかし、GI値を利用して体脂肪が減ったという医学論文はなく、そのうえ、流行した当時、このダイエット法に用いられたGI値の算出方法は、医学的に信頼できるものではありませんでした。

 そもそも、インスリンの分泌量を抑えれば痩せられるということ自体、インスリンの分泌が低下している糖尿病の人が太っていることと矛盾しています。

※グリセミック・インデックス(Glycemic Index)


にがり水ダイエット


 「にがり」とは、海水を煮詰めて塩をつくるときにできる、薄いこはく色の液体です。にがりに含まれる「マグネシウム」が、腸の働きを活発にして便秘を解消する、脂肪の吸収スピードを遅くさせ、脂肪を蓄積しにくくするなどの効果があるといわれています。

 にがりを水で薄めた「にがり水」を、食事の前後や食事中に飲めば太らないというのが、にがり水ダイエット。ダイエット効果を高めたい場合は、1日に1.5〜2リットルを飲むこととされています。肥満学会で、にがりの効果が発表されたこともあり、注目を集めているダイエット法です。

 確かに、糖質や脂肪の吸収を遅くする効果がにがり水にはあるので、一種のサプリメントととらえ、食事療法を守りながら補助的に使う分にはかまわないでしょう。にがりに含まれるマグネシウムが便秘を解消しますが、ダイエットにはなりません。また、1日に1.5〜2リットルも飲んでいると、マグネシウムの過剰摂取になる怖れもあるので注意が必要です。


ショウガ紅茶ダイエット


 体が冷えると、不要な水が体内に溜まって水太りになるので、ショウガ紅茶を飲んで体が温まれば痩せる、というダイエット法です。

 しかし、肥満は脂肪が溜まり過ぎている状態であって、水分とは全く関係ありません。確かに、ショウガの辛味成分には代謝促進作用がありますが、食べたカロリーに比べればごくわずかなもの。食生活を改善しなければ、ますます太ってしまうでしょう。





栄養補助食品ダイエット


 ダイエット補助食品として、超低カロリーでありながら、たんぱく質やビタミン、ミネラルなど必要な栄養がバランスよく含まれているとうたう栄養補助食品が、たくさん出まわっています。面倒なカロリー計算をする必要もなく、ただ食べているだけで痩せられるというのが最大のメリットです。

 確かにこれだけを食べていれば、間違いなく痩せられます。ただし、長期間続けていると、栄養不足に陥る怖れがあります。そして、裏を返すと、こうした商品で痩せた人は、それがないと痩せられないということです。種類が少ない、値段が高い、味が悪いなどのデメリットがあり、また長期間使うと飽きてしまって結局続けられず、リバウンドしてしまうケースが多いようです。

 こうした補助食品は、食事の中に取り入れるなど、あくまで補助的に使うことをおすすめします。


発芽玄米ダイエット


 「発芽玄米」は、玄米を水に浸して胚芽部分を1ミリほど発芽させた食べ物で、これを白米や玄米のごはん代わりにするのが、発芽玄米ダイエットです。

 発芽玄米は、白米や玄米よりもカロリーが低く、白米と比較すると、「ギャバ」というアミノ酸が10倍も含まれているといわれています。そしてこのギャバに、食欲を抑える効果がある、脂肪燃焼酵素を活発にし、内臓脂肪や皮下脂肪を燃焼させる作用があるとされています。さらに、食物繊維が含まれていることから、満腹感を得やすく、食べ過ぎを防ぐ効果もうたわれています。

 まず、ギャバが食欲を抑えるということですが、白米を玄米に替えるくらいの量では、効果は期待できません。また、脂肪燃焼酵素を活発にして、脂肪を減らすという作用もありません。そしてカロリーも、白米と発芽玄米は同じです。つまり、発芽玄米で痩せるという話に、医学的・科学的根拠はないのです。

 確かに食物繊維は含まれているので、よく噛むことで満腹感は得られるかもしれません。


納豆・豆乳ダイエット


 納豆・豆乳に含まれる「大豆サポニン」が、ブドウ糖が中性脂肪に変化するのを抑制し、血中の脂質を低下させる働きをすることで、肥満防止に役立つという考え方に基づいたダイエット法です。さらに、納豆・豆乳に含まれる「オリゴ糖」が腸の働きを整えるので便通がよくなる、納豆に含まれる水溶性の食物繊維が、消化吸収を遅らせるので、ダイエット効果があるといわれています。

 大豆サポニンには、糖分の吸収を抑制し、ブドウ糖が中性脂肪になるのを抑えるという効果が多少ありますが、その効果を期待するには、納豆や豆乳を普通に食べたり飲んだりする分量では足りません。だからといって、これらを大量に飲み食いすれば、摂取カロリーが増えるばかりか、サポニンの副作用が出てくる可能性もあります。

 また、便通がよくなっても、体脂肪が減るわけではないので、ダイエット効果があるとはいえません。


マクロビオティック


 「マクロビオティック」とは、大麦やそば、トウモロコシなどの全粒穀物を主食にし、野菜やナッツ類、豆類、果物などは食べますが、肉、卵、乳製品、砂糖などはとらず、動物性たんぱく質は少量の魚だけという、食生活をつることです。

 食材や調味料は旬のもので、有機農産物や天然のものを選んで食べます。アメリカで、ガンにかかりにくい食事法とし広まったものです。

 結論からいえば、ダイエット法としては、おすすめできません。肉や魚をほとんどとらない食事では、たんぱく質が不足してしまいます。たんぱく質が不足すると、筋肉量が減ってしまうので、基礎代謝も下がることになり、結局は痩せにくい体になってしまいます。

 全粒穀物と野菜をバランスよく組み合わせるとができれば、短期間の栄養は満たされるかもしれません。しかし、長期的に取り組むとなると、これまで食べていた肉や魚、甘い物が食べたくなり、過剰なストレスからドカ食いをしてしまう可能性があります。


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プチ断食


 食事を1食抜く、または週末に丸1日食事をとらない、いわゆる短期間の断食をするダイエット法です。食事の代わりに野菜ジュースなどをとる場合もあります。

 エネルギー源となる食べ物を取り込まないことで、代わりに、体内に溜まっている脂肪や糖、老廃物をエネルギー源として燃焼させる。消化吸収の働きをする臓器に休息を与えることで、本来の臓器の働きに戻すことができる。消化吸収の臓器が休んでいることで排泄の方にエネルギーが向かい、「宿便」が排泄されて腸内がきれいになる、などの効果があるといわれています。

 確かに1日に摂取する総カロリーが減れば、痩せるかもしれません。しかし、1食抜いたことでお腹がすき過ぎて、次の食事の量が多くなり、結局は適正な摂取カロリーをオーバーしてしまうことにもなりかねません。また、プチ断食で臓器が休まるということはありません。結局、長続きせずにリバウンドしてしまうことが多いので、おすすめしません。


腸内洗浄ダイエット


 肛門から管を入れ、お湯を入れて洗い流すことで、大腸にこびりついているといわれる「宿便」を洗い流す方法です。

 宿便を取り除くことで腸が水分を吸収する働きをよくして、腸の運動能力を活発にする。さらに「宿便」がとれたことでお腹が引っ込み、スタイルがすっきりする、などの効果がうたわれいます。

 腸内を洗浄すれば、確かに便が少なくなる分、体重は減るかもしれません。しかし、それは決して体脂肪が減ったわけではないので、正しい意味でのダイエットとはいえません。もともと、「宿便」などというものは存在していませんし、腸の中をカラにするようなことを続けると、栄養不足でやつれることはあっても、痩せることはないのです。


アロマダイエット


 香りをかぐことで、自分の意思だけではコントロールできない脳のさまざまな部分に働きかけ、ストレスを解消し、食欲が抑えられるとともに、心身が健康になるといわれているダイエット法です。ラズベリーの香りの成分「ラズベリーケトン」がカプサイシンの3倍もの脂肪分解を促進する効果があるという研究結果が、発表されたことから、そのダイエット効果が注目されています。

 脂肪を分解、燃焼させる香りの働きを、医学的に実証しようとする動きがあります。ある種の香りには、ストレスを解消し、気分をゆったりさせることで食欲を抑える効果があるうえ、交感神経を刺激して、脂肪を分解させるといわれているのです。もちろん、自分の好きな香りをかげば、ストレス解消になるでしょう。しかし、どんな香りでも脂肪を分解する働きがあるわけではありません。

 また、脂肪が分解されても、適度な運動で脂肪を燃焼する習慣がなければ、すぐに脂肪は合成されてしまいます。





骨盤矯正ダイエット


 生活習慣や悪い姿勢などで、ゆがんだ骨盤を矯正するために、簡単な体操を行なうダイエットです。骨盤の位置を正常に戻すことで、内蔵や自律神経の本来の機能を取り戻し、それが便秘解消や、ストレスによる過食の防止、筋肉バランスの調整につながり、肥満を解消するという考え方です。

 骨盤を矯正すると姿勢がよくなるため、見た目が引き締まり、お腹まわりが引っ込んだように見えますが、代謝がアップしたり、脂肪が減ることはありません。そして、その状態をキープするには、繰り返して続けなければならず、体操をやめれば、すぐに元の状態に戻ってしまいます。

 体のゆがみは、肩こりや腰痛などの原因にもなるといわれているので、骨盤を矯正することで、これらの不調は解消されるかもしれません。骨盤矯正はダイエットとしてとらえるのではなく、健康体操として役立てましょう。


リンパマッサージ


 体内の老廃物を運ぶ「リンパ液」の流れが滞ると、水分が体内に溜まり、むくみが生じます。そこで、リンパ液の流れに沿ってマッサージすることで、水分代謝を促進し、むくみや冷え、便秘などを解消する効果があるという考え方のダイエット法です。また、リンパマッサージによって、余計な水分や老廃物を体外に排泄させることができるため、痩せやすい体になる、自律神経を整えてストレスを解消するなどの効果があり、ダイエットに適しているといわれています。

 しかし、むくみと脂肪は全く別のものです。マッサージでむくみがとれたとしても、それは体の中の水分の分布が変わっただけ。体脂肪が減ったわけではありません。つまり、マッサージ効果は全くありません。


パワーヨガ


 「パワーヨガ」とは、従来のヨガに筋肉トレーニングの理論を結びつけたもの。呼吸をしながら動作を連続的に行う有酸素運動であるため、基礎代謝がアップし、痩せる体質になるといわれています。

 確かに有酸素運動であり、カロリーの消費されるので、継続することによって、ダイエット効果は期待できます。しかし、パワーヨガを1回やったからといって、痩せられるものではありません。つまりジム通いをしてエクササイズに取り組むのと同じで、ある程度の期間、続けなければ効果はないので、継続する意志の強さが要求されるダイエット法です。

 ヨガには、心が落ち着き、ストレス解消の効果もあるので、興味のある人は、試してみる価値があるかもしれません。


ビール酵母ダイエット


 ヨーグルトにビール酵母を混ぜて、食前に飲むと痩せるというダイエット法です。乳酸菌と酵母が反応して発酵し、お腹が膨れて食べられなくなるためと考えられます。

 しかし、ビール酵母に特殊なダイエット効果があるわけではなく、やめれば元に戻るだけです。