肥満と生活習慣病


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◆◇◆ 肥満と生活習慣病 ◆◇◆

 高コレステロール血症をはじめとする高脂血症、糖尿病などの患者さんのなかには、おなかがぽこんと張り出した内臓脂肪型肥満の人が多く見受けられます。

 これは、高カロリー・高脂肪の食品を長年とり過ぎたことと、運動不足が積み重なった結果のひとつと言えます。カロリー過多であったため肥満となり、脂質をとり過ぎたため血中のコレステロールや中性脂肪も増えたわけです。

 この流れのなかで、肥満は”結果”であるように見えますが、過食と運動不足がもたらす肥満は、それ自体が生活習慣病を加速する”原因”になる危険をはらんでいます。日本の中高年の男性に多い内臓脂肪型肥満では、脂肪細胞から、糖代謝に不可欠なホルモンであるインスリンの働きを阻害する物質が分泌されるため、インスリン抵抗性が起こり、高血糖が誘発されます。
 さらにインスリン抵抗性は、脂質代謝にも悪影響を及ぼし、血液中の中性脂肪を分解する酵素の生成を妨げ、それによって中性脂肪が増えると、今度は善玉のHDLコレステロールが減少してきます。
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 つまり、内臓脂肪型肥満をほうっておくと、高血糖、高脂血症などのメタボリック・シンドロームの危険因子がますます増えていき、動脈硬化のリスクも高まることになります。それを防ぐためには、健康的にやせることが何より大切です。
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◆◇◆ コレステロールとは? ◆◇◆

 血液中にコレステロールが増え過ぎると、動脈硬化が進み、命にかかわる病気につながります。

 しかし、コレステロールが少な過ぎても、体にさまざまな悪影響が出ます。それは、コレステロールが、人間の体にとって欠かせない成分だからです。

 人間の体は約60兆個もの膨大な数の細胞から成り立っていますが、コレステロールはそれらの細胞を構成する細胞膜の材料であり、細胞膜を強くし、細胞を支える役割を果たしています。

 また、コレステロールは、生体機能を調節するホルモンの材料でもあり、副腎皮質ホルモン、男性ホルモンや女性ホルモンなどの重要な構成成分です。

 さらに、食事から取り入れた脂肪などの消化吸収を助ける胆汁酸も、コレステロールを材料として肝臓で作られています。

 悪者と思われがちなコレステロールも、健康を維持するために必要不可欠なものです。コレステロールが不足すると、免疫力が低下し、短命に終ることが多いと考えられています。

 成人の体内には、約100〜120gのコレステロールが存在し、その一部が新しいものと入れ替わることによって、生体機能が維持されます。

 健康を保つためには、成人の場合1日1〜1.5gのコレステロールが必要とされ、そのうちの70〜80%は肝臓などで合成され、残りの20〜30%は食事からとっています。



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