魚の脂肪成分が血栓症を予防。ストレス解消にも効果あり。
青魚は白身魚に比べて、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)がたいへん豊富に含まれています。この2つは多価不飽和脂肪酸に属し、動物性脂肪が常温で固まりやすいのに反して、常温で固まりにくい性質を持っています。
|
|
魚の脂の効果が注目されたのは、70年代にデンマークのダイエルベルグ博士らが、「魚やアザラシを常食としているグリーンランドの先住民イヌイットは血栓症が少ない」と指摘したのが始まりです。
EPAとDHAのおもな働きは、血液中の中性脂肪を減らし、善玉のHDLコレステロールを増やし、血栓の形成を抑えて、血液をサラサラにすることです。
|
|
さらに、高血圧の改善やストレスの抑制にも効果があると言われています。
スポンサードリンク
|
また、EPAはアトピー性皮膚炎や花粉症などアレルギー症状の予防や改善、抗がん作用についての報告もあり、最近では、IPA(イコサペンタエン酸)という呼び方もされています。
|
一方、DHAは体内では脳細胞や目の網膜などに存在し、神経組織の発育や維持に重要な役割を担っています。
スポンサードリンク
|
|
そのため、食品としてDHAを摂取することは、記憶力の低下や認知症の予防、視力の向上にも役立ちます。
青魚といえば、あじ、いわし、さば、さんま、ぶりなど。これらの魚のEPA、DHAには実は弱点もあります。それは体内で酸化されやすいという性質です。
|
|
酸化されたEPA、DHAは体内で活性酸素を増やし、体にかえってマイナスに働いてしまいます。
これを防ぐ方法としては、新鮮なうちに食べること。そして、β−カロテン、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなど、抗酸化作用の高い栄養成分を含む食品を一緒にとるようにしましょう。
|
血液中にコレステロールが増え過ぎると、動脈硬化が進み、命にかかわる病気につながります。
しかし、コレステロールが少な過ぎても、体にさまざまな悪影響が出ます。それは、コレステロールが、人間の体にとって欠かせない成分だからです。
人間の体は約60兆個もの膨大な数の細胞から成り立っていますが、コレステロールはそれらの細胞を構成する細胞膜の材料であり、細胞膜を強くし、細胞を支える役割を果たしています。
また、コレステロールは、生体機能を調節するホルモンの材料でもあり、副腎皮質ホルモン、男性ホルモンや女性ホルモンなどの重要な構成成分です。
さらに、食事から取り入れた脂肪などの消化吸収を助ける胆汁酸も、コレステロールを材料として肝臓で作られています。
悪者と思われがちなコレステロールも、健康を維持するために必要不可欠なものです。コレステロールが不足すると、免疫力が低下し、短命に終ることが多いと考えられています。
成人の体内には、約100〜120gのコレステロールが存在し、その一部が新しいものと入れ替わることによって、生体機能が維持されます。
健康を保つためには、成人の場合1日1〜1.5gのコレステロールが必要とされ、そのうちの70〜80%は肝臓などで合成され、残りの20〜30%は食事からとっています。
|
|
|