高脂血症の治療の基本は、非薬物療法、つまり生活習慣の改善です。
コレステロール値や中性脂肪値が高い場合、目標値まで下げるには、食生活の改善、適正体重の維持、適度な運動、禁煙などを実行することが、とても重要です。
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なかでも、かなめとなるのが食生活の改善です。1日の摂取エネルギーが適正か、アルコールを飲み過ぎていないか、コレステロールや動物性脂肪の多い食品を食べ過ぎていないかをチェックし、改善する点があれば、できることから実行してみましょう。
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また、適正体重を維持するためには運動療法も大切です。
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適度な運動を行なうことによって、基礎代謝量が上がって太りにくい体になると同時に、LDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やすことができます。さらに、禁煙、ストレスの解消、規則正しい生活、上質な睡眠をとることなども大切です。 |
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これらのことを実行するだけで、しだいにコレステロール値や中性脂肪値が下がってくるでしょう。
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高脂血症がかなり重症であったり、家族性高コレステロール血症で薬物療法を行なう場合も、薬に頼って生活習慣の改善をおろそかにしては、思うような治療効果は現れません。
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薬物療法と併せて、食事療法や運動療法などを行なうことで、コレステロールや中性脂肪の合成機能がうまく働くようになるのです。
このような生活習慣の改善は、高血圧や糖尿病など動脈硬化のほかの危険因子を予防・改善するためにも、たいへん有効です。
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また、疲れにくい体を作り、ストレスに強い心と体を作るのにも、役立ちます。
あなたの健康を守るのは、あなた自身です。ぜひ、今日から実行してみてください。
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・療養には家族の協力も大切
コレステロール値が高くて自己療養を始める場合、家族の協力が欠かせません。
家庭で作る料理が、動物性脂肪やコレステロールが多い食品に偏っている場合、コレステロール値を下げるのは難しくなります。
また、このような食事を続けると、ほかの家族も健康を害するおそれがあるので、家族全員で食生活を見直し、みんなで食事療法に取り組む気持ちで臨むのが理想的です。
加えて、家族がお互いに、励ましやいたわりの言葉をかけ合うことも大切です。
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血液中にコレステロールが増え過ぎると、動脈硬化が進み、命にかかわる病気につながります。
しかし、コレステロールが少な過ぎても、体にさまざまな悪影響が出ます。それは、コレステロールが、人間の体にとって欠かせない成分だからです。
人間の体は約60兆個もの膨大な数の細胞から成り立っていますが、コレステロールはそれらの細胞を構成する細胞膜の材料であり、細胞膜を強くし、細胞を支える役割を果たしています。
また、コレステロールは、生体機能を調節するホルモンの材料でもあり、副腎皮質ホルモン、男性ホルモンや女性ホルモンなどの重要な構成成分です。
さらに、食事から取り入れた脂肪などの消化吸収を助ける胆汁酸も、コレステロールを材料として肝臓で作られています。
悪者と思われがちなコレステロールも、健康を維持するために必要不可欠なものです。コレステロールが不足すると、免疫力が低下し、短命に終ることが多いと考えられています。
成人の体内には、約100〜120gのコレステロールが存在し、その一部が新しいものと入れ替わることによって、生体機能が維持されます。
健康を保つためには、成人の場合1日1〜1.5gのコレステロールが必要とされ、そのうちの70〜80%は肝臓などで合成され、残りの20〜30%は食事からとっています。
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