くるみは人類が古くから食用にしていた木の実のひとつで、日本でも縄文時代や弥生時代に、常備食として用いられていました。
くるみの成分は、約60%が良質な不飽和脂肪酸で占められ、リノール酸とγ−リノレン酸が5対1の割合で含まれています。
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この比率は、不飽和脂肪酸がコレステロール値を下げるうえで理想的な配分であり、臨床試験でも数々の成果が生まれています。
また、くるみにはアミノ酸の一種、アルギニンも多く含まれます。アルギニンは成長ホルモンの合成に関与するたんぱく質ですが、血管拡張作用があり、血行を促進します。
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よって、動脈硬化の進行によって生じる狭心症などの心疾患の予防に有効です。
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さらに、ビタミンEも多く含み、ビタミンEのなかでも抗酸化作用が強いγ−トコフェノールが主体のため、LDLコレステロールの酸化が抑えられます。
くるみの1日の摂取目安量は、約28g。ただし、ナッツを食生活に取り入れるときは、どれか1種類にしましょう。カロリーがそれなりにある食品なので、適正摂取エネルギーの範囲で上手に取り入れたいものです。
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また、お酒のつまみにすると、ついつい食べ過ぎてしまうので、料理に適量を加えるのがベターです。
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血液中にコレステロールが増え過ぎると、動脈硬化が進み、命にかかわる病気につながります。
しかし、コレステロールが少な過ぎても、体にさまざまな悪影響が出ます。それは、コレステロールが、人間の体にとって欠かせない成分だからです。
人間の体は約60兆個もの膨大な数の細胞から成り立っていますが、コレステロールはそれらの細胞を構成する細胞膜の材料であり、細胞膜を強くし、細胞を支える役割を果たしています。
また、コレステロールは、生体機能を調節するホルモンの材料でもあり、副腎皮質ホルモン、男性ホルモンや女性ホルモンなどの重要な構成成分です。
さらに、食事から取り入れた脂肪などの消化吸収を助ける胆汁酸も、コレステロールを材料として肝臓で作られています。
悪者と思われがちなコレステロールも、健康を維持するために必要不可欠なものです。コレステロールが不足すると、免疫力が低下し、短命に終ることが多いと考えられています。
成人の体内には、約100〜120gのコレステロールが存在し、その一部が新しいものと入れ替わることによって、生体機能が維持されます。
健康を保つためには、成人の場合1日1〜1.5gのコレステロールが必要とされ、そのうちの70〜80%は肝臓などで合成され、残りの20〜30%は食事からとっています。
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