中国茶は発酵のしかたによって6種類に分けられます。半発酵によって作られるお茶を「青茶」といい、青茶の代表的なお茶が、おなじみのウーロン茶です。ウーロン茶は半発酵で作られることでポリフェノールが多くなり、その成分が作用しあって、さまざまな効能をもたらすと考えられています。
なかでも注目したいのが、コレステロールなどの脂質を排泄する作用です。
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ウーロン茶ポリフェノールはカテキンの集合体であり、比較的大きな分子量構造を持っているため、小腸から吸収されにくい性質があります。
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また、脂質とくっつく性質があるため、小腸にコレステロールが入ってくると、それをからめとり、便として排泄するよう働きます。
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加えて、食品中の中性脂肪は摂取されたあと、胆汁と消化酵素リパーゼの働きで分解され、小腸に吸収されますが、ウーロン茶ポリフェノールは、胆汁が作用する前に中性脂肪をからめとり、その排泄を促すとされます。よって、ウーロン茶を飲むと、余分なコレステロールや中性脂肪が体外に排出されやすくなり、ダイエット効果も期待できます。
ただし、ウーロン茶が、余分な脂質すべてを排泄してくれるわけではないので、脂質をとり過ぎないようにしつつ、ウーロン茶の効果を試したいものです。
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さらに、ヒトの血液から抽出したLDLコレステロールにウーロン茶ポリフェノールを加えると、LDLの酸化までの時間が遅くなったという実験データもあります。
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これは、ウーロン茶ポリフェノールの強い抗酸化作用のひとつで、ウーロン茶の飲用は、脂質の排泄促進に加え、動脈硬化の原因となる酸化LDLの増加を抑える効果ももたらしてくれます。
また、ウーロン茶ポリフェノールには、小腸でのブドウ糖の吸収を抑える作用もあり、食後血糖値の上昇も抑えます。高コレステロールの人は、高血糖を併発する場合も多いので、ウーロン茶を食事中や食後に飲むと、両面の効果を期待できるでしょう。
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加えて、ウーロン茶に含まれる成分テアニンは、副交感神経を刺激してリラックス感を高め、ストレス解消にも効果があるとされます。
近年は、さまざまなペットボトル入りウーロン茶が発売されていますが、香りの高さと深い味わいを楽しむなら、茶葉から自分でいれて飲むのがおすすめです。
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日本で入手しやすいウーロン茶には、苦味と甘味が調和した鉄観音茶、花のような芳香を持ち爽やかな味わいの凍頂ウーロン茶、まろやかな味と香りの高山茶などがあります。
いれる際は、高温の湯(100℃近く)を用いると、成分や香りをよく抽出できます。
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また、中国茶の一種である黒茶(プーアール茶など)にも、コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあり、体脂肪を燃焼させる効果があるとされます。
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血液中にコレステロールが増え過ぎると、動脈硬化が進み、命にかかわる病気につながります。
しかし、コレステロールが少な過ぎても、体にさまざまな悪影響が出ます。それは、コレステロールが、人間の体にとって欠かせない成分だからです。
人間の体は約60兆個もの膨大な数の細胞から成り立っていますが、コレステロールはそれらの細胞を構成する細胞膜の材料であり、細胞膜を強くし、細胞を支える役割を果たしています。
また、コレステロールは、生体機能を調節するホルモンの材料でもあり、副腎皮質ホルモン、男性ホルモンや女性ホルモンなどの重要な構成成分です。
さらに、食事から取り入れた脂肪などの消化吸収を助ける胆汁酸も、コレステロールを材料として肝臓で作られています。
悪者と思われがちなコレステロールも、健康を維持するために必要不可欠なものです。コレステロールが不足すると、免疫力が低下し、短命に終ることが多いと考えられています。
成人の体内には、約100〜120gのコレステロールが存在し、その一部が新しいものと入れ替わることによって、生体機能が維持されます。
健康を保つためには、成人の場合1日1〜1.5gのコレステロールが必要とされ、そのうちの70〜80%は肝臓などで合成され、残りの20〜30%は食事からとっています。
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