そばは、日本人が好むめん類のなかでも、たいへん栄養価にすぐれた食品です。とくにたんぱく質が豊富で、その栄養的価値を評価する必須アミノ酸スコアも、ほかのめんを上回っています。
なかでも注目したいのが、レジスタントプロティンという消化・吸収されにくいたんぱく質。
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この成分は、体内の余分なコレステロールやブドウ糖と結びつき、その排出を促す働きがあり、高コレステロールや高血糖の食事療法にたいへん有効です。
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また、そば特有のポリフェノールであるルチンの効能も見逃せません。
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ルチンには、ビタミンCの働きを助けて血管を強化し、血圧を下げる作用があり、動脈硬化や脳血管障害などの予防につながります。
なお、ルチンは脂肪分と一緒にとると吸収率が高まります。よって、食事療法で敬遠されがちな揚げ物と合わせ、たまに天ぷらそばを楽しむのもいいでしょう。余分な脂肪分は、レジスタントプロティンが、体外への排出を促してくれます。
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そばの種類は多彩ですが、ルチンを多く含むのは、アジア中部の山岳地帯で栽培されている「だったんそば」。
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ルチンを日本そばの約100倍含み、別のポリフェノール成分であるケルセチンも豊富です。
市販されているものとしては、だったんそばの乾めん、だったんそばの有効成分を含むふりかけ、だったんそば茶などがあります。
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血液中にコレステロールが増え過ぎると、動脈硬化が進み、命にかかわる病気につながります。
しかし、コレステロールが少な過ぎても、体にさまざまな悪影響が出ます。それは、コレステロールが、人間の体にとって欠かせない成分だからです。
人間の体は約60兆個もの膨大な数の細胞から成り立っていますが、コレステロールはそれらの細胞を構成する細胞膜の材料であり、細胞膜を強くし、細胞を支える役割を果たしています。
また、コレステロールは、生体機能を調節するホルモンの材料でもあり、副腎皮質ホルモン、男性ホルモンや女性ホルモンなどの重要な構成成分です。
さらに、食事から取り入れた脂肪などの消化吸収を助ける胆汁酸も、コレステロールを材料として肝臓で作られています。
悪者と思われがちなコレステロールも、健康を維持するために必要不可欠なものです。コレステロールが不足すると、免疫力が低下し、短命に終ることが多いと考えられています。
成人の体内には、約100〜120gのコレステロールが存在し、その一部が新しいものと入れ替わることによって、生体機能が維持されます。
健康を保つためには、成人の場合1日1〜1.5gのコレステロールが必要とされ、そのうちの70〜80%は肝臓などで合成され、残りの20〜30%は食事からとっています。
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