「日常茶飯事」という言葉があるように、日本人にとってお茶(緑茶)を飲むことは、日常生活にすっかり根を下ろした習慣です。
その緑茶には、実にさまざまな効能があることが知られていますが、その役割を担う代表的な成分が、カテキンです。これは、緑茶特有の渋味のもととなる成分で、緑茶全体の8〜15%を占めています。
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カテキンの働きのなかで代表的なものが、コレステロールや中性脂肪といった血中脂質を減少させる作用です。血中脂質が増え過ぎると高脂血症となり、血管壁にコレステロールが付着したり、血栓ができて血液の流れが悪くなったりします。
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ところがカテキンには血中脂質を減少させ、血栓ができるのを防ぐ効果があります。
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そのうえ、悪玉のLDLコレステロールだけを減少させ、善玉のHDLコレステロールは減らしません。
さらに、カテキンには血圧の上昇を抑える作用や、血糖値をコントロールする作用もあります。高血圧や糖尿病も動脈硬化の引き金になるので、これらの予防は、血中脂質の減少とともに重要です。
また、カテキンには殺菌作用もあり、食後のお茶を習慣にすると、口臭予防につながります。
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さらに、緑茶に含まれるフッ素には、虫歯予防にも効果的です。
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緑茶には、まだまだ有効成分がたくさん含まれています。ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEには強力な抗酸化作用があり、カテキンとともに働いて、LDLコレステロールが酸化するのを防ぎます。とくに、カテキンの一種であるエピガロカテキンガレートという成分には、ビタミンCの10倍、ビタミンEの20倍の抗酸化力があると言われています。
食事のあとに緑茶を1〜2杯飲む習慣をつけると、毎日忘れずにとることができます。とくにカテキンをしっかり摂取するには、豊富に含まれる1煎目、2煎目を飲むといいでしょう。
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緑茶の栄養分を余すことなくとるには、葉をそのまま食べる方法もあります。茶葉用ミルで粉末状にしてヨーグルトに混ぜたり、粗挽き状にしてふりかけとして用います。
また、緑茶に含まれるカフェインとビタミンCは、アルコールから発生する有害物質アセトアルデヒドの分解を助ける働きがあるので、二日酔いにも効果的。
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さらに、カフェインには利尿作用もあり、アルコールを体外に早く追い出してくれます。お酒を飲む前に緑茶を飲んでおくと予防効果があり、二日酔いをしてしまったときに飲むと、その解消を早めてくれます。
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血液中にコレステロールが増え過ぎると、動脈硬化が進み、命にかかわる病気につながります。
しかし、コレステロールが少な過ぎても、体にさまざまな悪影響が出ます。それは、コレステロールが、人間の体にとって欠かせない成分だからです。
人間の体は約60兆個もの膨大な数の細胞から成り立っていますが、コレステロールはそれらの細胞を構成する細胞膜の材料であり、細胞膜を強くし、細胞を支える役割を果たしています。
また、コレステロールは、生体機能を調節するホルモンの材料でもあり、副腎皮質ホルモン、男性ホルモンや女性ホルモンなどの重要な構成成分です。
さらに、食事から取り入れた脂肪などの消化吸収を助ける胆汁酸も、コレステロールを材料として肝臓で作られています。
悪者と思われがちなコレステロールも、健康を維持するために必要不可欠なものです。コレステロールが不足すると、免疫力が低下し、短命に終ることが多いと考えられています。
成人の体内には、約100〜120gのコレステロールが存在し、その一部が新しいものと入れ替わることによって、生体機能が維持されます。
健康を保つためには、成人の場合1日1〜1.5gのコレステロールが必要とされ、そのうちの70〜80%は肝臓などで合成され、残りの20〜30%は食事からとっています。
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